リンパトリートメント(マッサージ・リンパドレナージュ)セラピストのお仕事

一般社団法人日本リンパ協会 池田ことみです。

土の時代から風の時代へとシフトしたことによって、自分でビジネスを起こしたい、自分だけの世界を持ちたい、
通常の仕事にプラスして何かの形で独立開業したい。そのような方が増えています。

特に、健康や美容、リラクゼーション効果などが期待できるとして
リンパトリートメント(リンパマッサージ、リンパドレナージュ)が脚光を浴びています。

それに伴い、「リンパトリートメント(リンパマッサージ、リンパドレナージュ)のサロンを開業してみたい!」という方が増えてきているようです。
当協会はリンパのセラピストを15年以上育てていますので、検討している方はご参考にされてください。

リンパマッサージの基礎

リンパケア、リンパドレナージュ、リンパマッサージって何?
実はリンパマッサージ、リンパケア、リンパトリートメントは西洋医学由来です。東洋医学や漢方などでは、「気の流れ」「血の滞り」などという言葉がよく使われます。
リンパケア、リンパドレナージュと聞くと、自然療法なので、経絡を連想して東洋医学由来だと思われる人も多いのですが、リンパは解剖学に基づいた西洋医学的な根拠のある療法です。  東洋医学が経験的・体験的であるのに対してリンパケアは、リンパ液、リンパ管、リンパ節、リンパ組織・リンパ器官といった「リンパ系」の医学知識、解剖学的根拠に基づいたセラピーです。  お薬などで症状をおさえる対症療法ではなく、原因療法なので、そういった意味では、「東洋医学と西洋医学のいいとこ取り」ともいえますね。
リンパドレナージュ、リンパマッサージとは、素手で直接皮膚に触れ、全身に流れる「リンパ液」と呼ばれる液体をスムーズに流すための施術です。
この施術は、「リンパ節(フィルターの役割をする)」に向かってリンパ液を適切に流すことでリンパ液に含まれる毒素や老廃物を排出し、むくみなどの症状の改善を図ることを目的としています。

リンパ液ってどうやって流れているの?
血液の場合は心臓という強力なポンプがありますが、リンパにはそのような大きなポンプはありません。
では、リンパはどうして流れるのでしょうか? 実はリンパが流れるのは、主に骨格筋の運動によります。
それ以外にリンパ管分節という小さなポンプ、呼吸、腸の蠕動運動、動脈の拍動、外部圧、例えばリンパケアなどによって流れています。

リンパマッサージはなぜ必要なの?
冷え、食事、薬剤、しめつけ、悪い生活習慣、筋肉疲労、加齢などがリンパの流れに影響します。また、ストレスがたまりやすい生活習慣を送っていると、リンパが滞りがちになります。ストレスで心が冷えるとからだも冷え、体温が下がります。逆に、からだが冷えると心も冷えます。心とからだはつながっています。
重要なリンパの流れはこのように滞りがちなので、意識してリンパケアを行うのが健康のカギといわれています。

ドレナージ・ドレナージュってなに?
「ドレナージュ(Drainage)」とは、フランス語で「排水」や排出」の意味を持ち、リンパドレナージュは、体内にたまったリンパ液を排出することを指します。
ちなみに、英語では「ドレナージ」、フランス語では「ドレナージュ」と発音されています。

リンパトリートメント(マッサージ・リンパドレナージュ)セラピストのメリット

  • 人の喜びが自分の喜び
    リンパトリートメント(マッサージ・リンパドレナージュ)セラピストのメリットは、たくさんあります。
    うまく施術ができれば、お客様に効果を感じていただきやすいので、感謝されることが多く、それによって更に自分の喜びになります。
  • いくつからでも始められる
    日本リンパ協会では、60歳代、70歳代からリンパのセラピストにチャレンジされる方が沢山いらっしゃいます。リンパ管には2種類、浅いリンパ管と深いリンパ管とがあり、浅いリンパ管は皮膚のすぐ下を流れているので、軽いタッチで行います。そのため、力仕事ではありませんので、年令制限がなく始めることができます。
  • 気軽に開業できる
    ご自宅のリビングや空いたお部屋を使って施術をされる方が多くいらっしゃいます。時間も家族の方が出かけている時や、ご自身の空き時間を利用して行うことができます。ご自宅で行う場合は、いつもお家がきれいになるというメリットもあります。
  • 資金が無くてもできる
    ご自宅で行う場合でしたら、家賃がかからないので、あまりお金が無くても開業できるのがメリットです。1人でできる仕事なので、人件費がかからないのも魅力です。
    技術を売る仕事なので、必要な材料も少なく、経費があまりかからない点も良いですね。
  • 自分のお城ができる
    独立した場合、自分の都合で時間やメニューを決められます。誰にも指示されずに、自分のセンスで思い思いにできるので、サロンが自分の夢を叶えるお城になります。サロンの名前、テーマ、選曲、香り、メニュー、コンセプトなど、考えただけでワクワクしますね。
  • 単価が高い
    リラクゼーション業界は、60分3000円位ですが、リンパケアの業界は10分1000円以上がほとんどです。
    サロンにセラピストとしてお勤めされる場合は時給千何百円位からのスタートになりますが、独立される場合は、かなり単価が高いのが魅力です。もちろん、それなりに技術と知識を磨く必要があります。

リンパトリートメント(マッサージ・リンパドレナージュ)セラピストの働き方

リンパトリートメント(マッサージ・リンパドレナージュ)セラピストの働き方はいろいろあります。
資格習得後は、修行ということで、まずはサロンに勤める方もいらっしゃいますし、独立開業もあります。
どのようなケースがあるでしょうか?

ケース① サロンに勤める
メリット:家賃、人件費等のランニングコストがかからない。定まったお給料がもらえる。

ケース②  自宅開業
メリット:家賃、人件費等のお金がかからない。自分の都合で時間やメニューを決められる 投資が少ない

ケース③  店舗運営
メリット:自分のセンスで思い思いにできる。信用につながる。満足感を得られやすい。リスクがある分、頑張れる。

ケース④  出張
メリット:掃除や準備の必要がなく気楽である。

ケース⑤ ご依頼があった都度、レンタルサロンを借りる
メリット:掃除や準備の必要がない。気楽である

ケース⑥  スポーツクラブ、美容院の空いているスペースを借りる、またはホテルと提携して出張する
メリット:宣伝が楽。掃除や準備の必要がない。

セラピストの働き方には色々なケースが考えられます。
例えば⑥のように、場所を借りるような場合には、掃除などが無い分気軽ですが、一方、場所代を支払う、または売り上げの何割かを提携相手先に支払うなど双方での取り決めがあります。
場所を借りる場合は、掃除や家賃の負担が無い分、借りられない場合やキャンセルでも料金が少しかかる場合があるので、事前確認が必要です。
開業費用を安く抑えたいけれども、経費をかけたくない場合は、自宅でのサロン開業がおすすめです。小スペースで施術でき、特別な準備が必要ないためご自宅に空いているお部屋があれば、そこで施術ができるため、家賃などが不要になります。
また、人件費もかからないので、開業資金が大幅に抑えられます。
ご自宅でサロン開業する場合の準備や資金についてお伝えいたします。

開業準備

まずはリンパケアのプロセラピストになるための資格を取得します。資格は民間資格にあたり、国家資格ではありませんので、年数や金額などは、そこまで負担にならないところが多いようです、
本を読んだりユーチューブで学んだりと、見よう見まねでできるほど簡単ではありませんので、実践と自分で受けて感じる経験も必要になってきます。
サロン就職は別として、オーナーセラピストは時給の高い職種なので、技術が大事です、それなりの投資も覚悟しましょう。
日本リンパ協会では、「リンパスペシャリスト」という商標をとっているので、セラピスト講座に合格することで、晴れて「一般社団法人日本リンパ協会認定リンパスペシャリスト」と名乗って活動することができます。

 

合格後は、ご自宅でサロンを開業するために準備が必要です。
サロンとして開業するためには、施術用の場所が必要ですが、最低限必要になるのは施術用のベッドが入るスペースです。
まずは、ベッドを設置するスペースを確保することですが、ベッドは折り畳みの物が売っています。
普段は畳んでおけますので、邪魔になりません。
かつて筆者は、寝室を施術スペースにしていました。お布団だったので、全ての物を押し入れに仕舞って、生活感がでないように掃除しました。
また、リビングも生活感を出さないように、全て余計なものはしまって、テーブルでカウンセリングやお茶を出す
スペースを用意しました。
この他に、シーツやタオルなどを収納するスペースも必要になります
予約を受けたり、売り上げや顧客情報を管理したりするために、パソコン、施術着の準備も必要です。
また、お客様に心地よく過ごしてもらうためのインテリアやBGM、アロマなどをご準備するのも良いでしょう。

開業に必要な道具と費用

施術にあたり必要な道具と費用などを挙げてみました。

●間接照明:5000円~(お手持ちの物があれば購入しなくてよい)
●チラシ、料金表:3000円~
●癒し系CD:1500円~ (スマホ等あれば代用可能)
●CDプレイヤー:5000円~        ↑
●タオルウォーマー:5000円~
●スリッパ、ティーカップ:2000円~(新品に準ずる物があれば購入しなくてよい)
●紙ショーツ:1000円~(無くても可)
●セラピストウエア:5000円~(無くても可)
●ワゴン:1500円~ジェルや時計、タオルなどを載せておくために必要
●施術ベッド:10000円~
●マッサージオイル、ジェル等:6000円~
●タオル類:10000円~

ご自宅でプチ開業すれば、約60000円位からと、新規事業にしては破格の値段で始められます。
(※上記はあくまでもご参考です。ご準備する数量や製品、品質等により価格が異なります。)

開業届・申告書・事業計画書など

開業準備を終えたあとは、書類の提出に取り掛かりましょう。法人を設立しなくても、個人事業主で気軽に行うことができます。

開業届

新たに事業を起こす時や、事務所や店舗を立ち上げる時には、事業所在地を管轄する税務署に開業届を提出します。すぐに?届けなくても罰則はないようですので、時間のある時に出せば良いようです。
筆者も出したことがありますが、書類は複雑ではありませんので、気軽にできます。

事業計画書

どのようなコンセプトのサロンを目指すのか、集客方法から事業の強みまで方針を立てておくとよいでしょう。
自宅サロンなら、SNSの活用などでお金はあまりかけなくても済む場合が多いようです。
日本リンパ協会では、セラピスト講座の際に事業計画や集客などのアドバイスも行っています。
また、講師はサロン開業をおこなっていますので、講師のサロンの雰囲気なども見ることができます。

国からの補助金

新規事業なので、補助金、給付金がもらえる場合があります。日本リンパ協会卒業のセラピストさんも、所定の手続をしてHP制作費などを国からの補助金で一部賄ったケースがあります。

集客

自宅でサロン開業すれば、色々な費用が抑えられるというお話しをしましたが、路面店と違ってなかなか新規サロンは見つけてもらえないので、技術はもちろんのこと、集客がうまくできるとよいですね。

 

ネット・SNS
サロンを知ってもらうためにフリーペーパーに広告を掲載したり、チラシの新聞折り込みをしたりという集客方法もありますが、掲載料はかなり高額ですし、集客の保証もありません。
あまりお金をかけず、すぐに始められる方法として、インターネットを使った集客がおすすめです。
ホームページやチラシを用意するほか、InstagramやFacebook、ブログ、ツイッターなどSNSを活用することで、写真や動画でサロンの雰囲気や施術の様子、セラピストの思いなどを伝えることができます。最近は無料でHPを作成できるサイトも充実しています。また、LINEの公式アカウントを作ることもできます。
自分で作成すれば経済的な負担を減らすことができます。

チラシ
ポスティング用のチラシを作成し、初回限定割引などをつけて投函していくことで集客につながる可能性があります。

口コミ
技術と経験を磨き、お客様にご紹介していただき、口コミで評判を高めていくことが大切です。
さらに、健康や美容、リンパなどの知識を深め、お客様へ適切なアドバイスができれば、より信頼感が増します。お客様一人ひとりを大切にし、心を込めた施術とアドバイスをしましょう。その方のご体調がよくなって来られなくなったとしても、口コミがされやすくなりますので、人間性と利他の精神は大切です。
日本リンパ協会の卒業生の中には、口コミだけで集客し、新規が募集できない程リピーター客だけで手いっぱいという嬉しい悲鳴を上げている方もいらっしゃいます。

有料広告
経費を使って広告を出す場合は、有料サイトやタウン紙に出すと、お問い合わせが増えます。技術力に自信が付いた場合は有効です。場所等を公にしてよい方で技術に自信がある方が向いています。
日本リンパ協会では、奇数月の30日の午後、セラピスト限定相談会や個人コンサル、また、ラインセミナーなど、集客の相談会や勉強会も開いています。無料またはかなり安価な費用で学ぶことができます。

リンパトリートメント(リンパマッサージ)の需要

リンパケアは、美容や健康・デトックスやリラクゼーション効果、免疫力アップに注目が集まっています。自然療法であること、副作用が無い事なども魅力のポイント。
実際に、仕事としてのリンパトリートメント(リンパマッサージ、リンパドレナージュ)の需要はどうでしょうか。
実は、一昔前までは、リンパマッサージ(リンパドレナージュ)は、ガン治療やリンパ浮腫の方を対象に、医療機関で行う生活指導の一環として用いられてきました。
それが近年、ネットなどで情報が入手しやすくなり、人々が自然療法に目を向ける傾向が出てきました。それによって、リンパケアを行いリンパの流れを良くすることで、リラクゼーションやデトックス、美容面や免疫力アップの効果が期待される点が注目され、民間のエステサロンなどでも取り入れられるようになりました。
こうした理由から、ストレス社会といわれる現代において、代替医療としてのリンパマッサージやリンパドレナージュの需要が年々増加傾向にあります。

リンパケア(リンパマッサージ、リンパドレナージュ)で期待される効果

美容効果
リンパを流すことで身体を温めて代謝を高める効果が期待できます、ちなみに筆者は半年で4キロ痩身しました。受講生の中には、肌質が良くなった、シミがなくなった、リフトアップした。といった報告も多くみられます。
たまに、頭のケアで白髪が改善したり、髪が生えてきたという人もいます。

デトックス効果
リンパ液は、老廃物や毒素、ウィルス、疲労物質などを回収して運搬する役目を担います。それらの不要物は身体のごみ箱であるリンパ管で免疫物質に処理されます。

むくみ改善
むくみは水分の代謝がうまくいっていない証拠です。リンパケアで解消しやすくなり、足が軽くなったり、靴がゆるくなったりします。フェイスラインがすっきりする人も多いようです。

疲労回復
リンパケアによって、毒素や老廃物を排泄することで、疲れが取れやすくなると言われています。実際にそのような報告も数多く寄せられています。

免疫力アップ
リンパケアはゆっくり優しいトリートメントなので、副交感神経が優位になりやすくなります。副交感神経が優位になると、リンパ球が増えて、さらに余分な水分を排出すると体温が高くなるので、免疫力アップが期待できます。ちなみにリンパ球が増えるとナチュラルキラー細胞が活性化するので、病気になりにくいというわけです。

肩こりや首こりの改善
成人の頭の重さは約 4~6kg あり、うつむくだけで、頭の重さの数倍の負荷が首にかかりますので、首や肩の筋肉が負担になりがちです。また、ストレスや疲労でもリンパの流れは停滞します。血液やリンパの流れがよくなることで肩こりや冷え性が改善する方が多いようです。筆者は、四十肩が5分で改善され、それ以来、症状がでなくなりました。

注意事項

一般的にポピュラーな名称である「リンパマッサージ」とここではわかりやすく表記しておりますが、実際に他人に施術するために、「マッサージ」という名称を使用するにはマッサージ師の国家資格が必要となります。
セラピストになった際は、「リンパトリートメントサロン」「リンパケアサロン」など、(マッサージ師の資格がない方は)表記に注意しましょう。
あはき法、医師法、医療法など、法律に抵触しないよう日本リンパ協会では指導しています。
また、商標などもありますので、商標を侵害しないように気を付けましょう。商標に関しては、弁理士に相談しなくても、ご自身で検索できます。「商標検索 特許庁」で調べてみましょう。
なお、日本リンパ協会では、「リンパスペシャリスト」の名前の商標を取得しているので、当協会のセラピスト資格を取得すると、「リンパスペシャリスト」と名乗ることができます。

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