代表理事より 2023冬
日増しに気温が下がり、空気がきれいに感じられる反面、体調を崩しやすい季節になりました。
体調が悪くなるといえば、ここでは書ききれないほど様々な症状があり、その対策として対症療法を用いる事例が多くみられます。
対症療法とは、例えば頭が痛ければ頭痛薬、咳が止まらなければ咳止め、血圧が高ければ降圧剤、皮膚の炎症にはステロイド、癌が見つかれば、がん細胞を取る手術や抗がん剤・放射線療法など、こちらも挙げればきりがないほど様々です。しかしこれらの対症療法は、どれも病気の症状を一時的に緩和させるもので、根本原因を治して病そのものを完治させるものではありません。
例えば、発病している箇所を切り取ったとしても、確かにそこにはがん細胞はなくなりますが、発生させた根本原因が解決されなければ、また別の原因がある部位にがん細胞が発生します。胃の病で胃を切除したら胃潰瘍にはなりませんが、こちらも同様、その病になった根本の原因を解消しなければ別の病が発生します。
病の本質的な原因は、生活習慣やメンタル面などいろいろなことが絡み合った結果として身体に現れるだけなので何かを抑制したり、促進するなど、部分的または断片的な方法で解決すると言う単純なものではありません。
生き方の間違いを身体は教えてくれるので、症状に驚いて対症療法を行うのではなく、誤った生活を改めてみる事が大切ではないでしょうか。
そもそも「健康」(health)と言う言葉の語源は、ギリシャ語の「全体」(holos)から来ています。また、その言葉から生まれた言葉には、「全体の」(whole)、癒す(heal)、神聖(holy)などがあり、身体とは、部分的ではなく、全体を構成しているので、その部分のみならず全体を通して考えることが必要ということです。最近よく耳にする「ホリスティック」(holistic)という言葉もここから発生しています。ジャン・クリスチャン・スマッツという思想家が1926年に発表した「ホーリズムと進化(Holism and Evolution)」という著作の中でも、身体は繋がっているので、健康とは総合的に考えることが必要という趣旨のことを言っていますが、私もその通りだと思います。
「対症療法」の対義語は「原因療法」といって、疾患の原因を取り除き、根治を目指す治療法です。
原因療法を行うことは、対症療法と違って副作用もないので安心です。
私たちの身体には自分自身をよくするスイッチがあるので、「筋肉ほぐし+リンパケア」によってそのスイッチをオンにすることは、体調を良くすることのうちの1つです。そして、食生活や頑張りすぎ、薬の飲みすぎなどの生活習慣を見直して、心の中の心配や迷い、怒りなど、メンタル面の見直しも必要です。また、現代社会の中で体内に蓄積された様々な有害物質を排出させる必要もあります。
リンパケアを行うことにより、それらのネガティブな面を少しでもポジティブなことに変えて行けたら幸いです。
来年も皆様の心と身体のご健康をお祈り申し上げます。