リンパ液はどうやって流れるのか?

そもそも、リンパ液ってどこからくるのでしょうか?
リンパ液の始まりを知らない方が多いようですが、実は毛細血管から組織に染み出た組織液が
リンパ管に入ってリンパ液になります。
血液(動脈血)は、心臓という強力なポンプによって流れますが、リンパ液には心臓のような
強力なポンプがありません。

では、リンパ液はどうやって流れるのでしょうか?
リンパ管には静脈と同様、逆流しないように弁がついています。

弁と弁の間の部分を「リンパ管分節」といい、
これらの分節が収縮・弛緩することによって分節から分節へとリンパ液を送ります。

それ以外に、骨格筋の動き、呼吸、腸の蠕動、動脈の拍動、血流の影響などによってリンパ液が流れます。
さらに、運動や、リンパケア(リンパマッサージ)などによる刺激(外圧)、体温の上昇もリンパの流れを助けます。

ところで、リンパ管の始まりである毛細リンパ管には弁がありません。
では、組織液はどうやって毛細リンパ管に入るのでしょうか?
実は、毛細リンパ管の細胞の壁には、「係留フィラメント」という非常に細い繊維があり、このフィラメントが周囲の細胞にくっついています。

細胞間が組織液で満たされて圧が高くなったり、筋肉運動やリンパケアなどの外圧によって係留フィラメントが引っ張られたりすると、毛細リンパ管の壁の細胞に隙間ができて、そこから組織液が流れ込んできます。

毛細リンパ管はからだの表面に近い浅い部分に張り巡らされていて、しかも弁がないので、皮膚の上からのリンパケアでリンパ液を移動させることができるというわけです。

出典元:「リンパケア検定2級」評言社 一般社団法人日本リンパ協会著
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