からだの水分とリンパ液

私たちの体重に占める水分の量は、成人男性で60%、女性で55%といわれています。

新生児のときは70%前後と多く、だんだん減っていって、高齢者になると50~55%になります。

 では、この水分の内訳はどうなっているのでしょうか?

 からだの水分の約2/3が細胞内を満たしている細胞内液、約1/3が細胞外液、いわゆる体液です。

 体液の内訳は、「血液」「組織液」「リンパ液」などです。

 血液はご存じのとおり、からだ中に栄養分や酸素を運びます。

 組織液は毛細血管から血液の液体成分(血しょう)がしみ出たもので、細胞と細胞の間を満たしています。

組織液は毛細血管から栄養と酸素を細胞に運び、細胞の老廃物を血管やリンパ管に運びます。

 組織液はリンパ管に入ると、リンパあるいはリンパ液と呼ばれます。

 したがって、リンパ液は血液由来ということもできます。

 

心臓から送り出された血液の約90%は静脈を通ってまた心臓にもどってきますが、残りの約10%は毛細血管からしみ出して組織液となります。

その組織液全部がリンパ管に入るかというとそうではなく、80~90%は血管にもどり、残りの10~20%がリンパ管に入ります。

リンパ管に入った組織液はリンパ液となり、リンパ管からリンパ節を通り、最後は鎖骨下静脈から血流にもどります。

 ちなみに、リンパ液は黄色みがかったほぼ透明な液体で、その内容は血しょうに似た成分(リンパしょう)、リンパ球、少量のタンパク質などです。

細胞からの老廃物、細菌、ウイルス、がん細胞などもリンパ液に入ってきます。

 リンパ液の流量は1日あたり約4~8リットルで、血液の毎分4リットルと比べると、かなりゆっくりであることがわかります。

 

流れる速度は秒速0.5cm以下、分速24cm前後です。

ゆっくり流れる上に、血液に比べて、備わっているようなポンプ機能が大きいとはいえないので、リンパケア、リンパマッサージなどでケアして、流れを良くすることをお勧めします。

出典元:「リンパケア検定2級」評言社 一般社団法人日本リンパ協会著

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