〜身体の回復力をみつめて〜 連載第5回

今回のテーマは背面の筋肉をケアすることです。
背面は押圧する手技がメインになりますが、押圧は強弱ではなく、深い浅いを意識して行なうことで、より深部の筋肉にアプローチできるようになります。
痛みやコリの原因は深部の比較的小さい筋肉が影響していることが多いのです。深い押圧は短時間で効果的に筋肉を緩めやすくなりますが、痛すぎると自律神経のうちの交感神経が優位になってしまい、リンパケアの免疫力を上げる効果がでにくくなってしまいます。
心地よい痛さ程度に押圧の加減ができると理想的です。

 背中は呼吸器系の不調や、ストレスの影響で硬くなることが多く、背中の筋肉を緩めることによってそれらの不調が緩和することもあります。
 背骨周辺の筋肉を緩めることで、痛みやコリの緩和・ダイエット効果・血流の改善・ホルモンバランスの改善などが期待できます。背中で主に意識したい筋肉は僧帽筋・広背筋・脊柱起立筋・大小の菱形筋などです。
 僧帽筋は体幹の後上部を覆い、広背筋は体幹の後下部を覆います。脊柱起立筋は背骨に縦走するように縦に長く深部に位置しています。「リンパケア検定2級」テキストP131③背骨の全体開き、④背骨のきわの押圧の手技でケアしてみましょう。骨を押さないよう気を付けてくださいね。
 菱形筋は上背部の痛みの要因ともいわれ、肩甲骨を背骨側に引っ張る作用があり、肩を前方に引っ張る大胸筋とともに常に緊張状態です。「リンパケア検定2級」テキストP130②肩甲骨ほぐしのように肩甲骨周りをほぐすことによって緩めやすくなります。また、肩甲骨の角度を変えるようなストレッチや体操も効果的です。

参考文献:「リンパケア検定2級」日本リンパ協会著 評言社出版
    「クリニカルマッサージ」医道の日本社
    「背骨を整えると脳が冴える」古久澤靖夫 主婦の友社

【2016年~2018年 認定講師コラム】